Moving Picture (946-3) Reich/Richter
ミニマル・ミュージック界を代表する作曲家のスティーヴ・ライヒと、世界で最も重要な現代美術家のひとりであるゲルハルト・リヒターによる、時間-音-イメージの新しい体験を生み出す映像-音楽作品の日本初演。
それぞれのジャンルを超えて、ジャズ、テクノ、舞踏、文学などあらゆる表現に大きな影響を与えた伝説的なふたりのアーティストの共演が、ライヒの90歳を祝う年に実現します。アンサンブル・ノマドによって、世界的に注目される韓国の新星イ・ハヌリと、1960年代の草月アートセンターに縁が深い武満徹の曲も演奏されます。
プログラム
Moving Picture (946-3)Film by Gerhard Richter & Corinna Belz
Music: Steve Reich
Montage: Rudi Heinen
© Gerhard Richter and Corinna Belz
Curated by Hans Ulrich Obrist and Alex Poots
現代美術家のゲルハルト・リヒターが映画監督のコリーナ・ベルツと制作した映像と作曲家のスティーヴ・ライヒの音楽によるコラボレーション。映像作品《Moving Picture (946-3)》は、リヒターとベルツが共同で開発した手法によって制作されている。ひとつの絵画を写真によって細かく分解し、それらを分割、鏡像化、再構成することで、絶えず変化し続ける抽象的な映像を生み出している。この手法は、反復とわずかな変化を積み重ねながら音楽を展開させるライヒ独自のプロセス志向の作曲法やフェイジング(位相変移)の手法と構造的に深く呼応している。音楽と映像は互いに独立して進行しながらも、反復と漸進的な変容という共通の論理によって結びつけられている。二人のコラボレーションは、2009年にケルンで実現した出会いをきっかけに始まった。ライヒはケルンのルートヴィヒ美術館で開催されていたリヒター展の会場内で《Drumming Part 1》を演奏し、その後近隣のケルン・フィルハーモニーで《Music for 18 Musicians》を上演した。それから両者は共同で作品を制作する構想を抱くようになった。
本作は2019年4月にニューヨークのThe Shedで世界初演された。The Shed、ロサンゼルス・フィルハーモニック(グスターボ・ドゥダメル音楽監督)、Cal Performances、ブリテン・シンフォニア、フィルハーモニー・ド・パリ、オスロ・フィルハーモニー管弦楽団による共同委嘱である。初演では、アンサンブル・シグナルがライヒの音楽をライブ演奏し、その背後でベルツが制作した映像が上映された。映像は、リヒターが2016年に制作したスキージー技法による絵画《Abstraktes Bild (CR 946-3)》を素材として構成されている。
公演概要
- 公演名
- No Centre 1
Moving Picture (946-3) Reich/Richter - 出演
- アンサンブル・ノマド
- 公演日程
- 2026年11月6日(金)~11月7日(土)【全2回】
11月6日(金)19:00開演(18:00開場)
11月7日(土)15:00開演(14:00開場) - 会場
- 草月ホール(〒107-0052 東京都港区赤坂7-2-21 草月会館地下1階)
- 入場料(税込)
- 全席指定 8,000円(税込)
- 学生席(当日引換券)
- 3,000円(税込)
※要身分証明書。当日指定席引換/連番購入不可(連番をご希望の場合は指定席をご購入ください)。 - 年齢制限
- 未就学児の入場・同伴はご遠慮ください。
- 主催・企画・制作
- 一般社団法人 No Centre
- 注意事項
- ※車椅子のお客様、盲導犬・介助犬同伴のお客様、障害者割引(要証明書)をご希望のお客様は、お座席へのスムーズなご案内のため、購入前にサンライズプロモーションにお問い合わせください。
※車椅子の座席数には限りがあります。ご了承ください。
※公演中止の場合を除き、一度購入されたチケットの払い戻し、交換等はお受けできません。
※営利目的の転売は固くお断りいたします。
※公演の内容、曲目等は、変更になる場合がございます。
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- サンライズプロモーション
0570-00-3337(平日12:00~15:00) - 公演に関するお問い合わせ
- 以下のフォームよりお問い合わせください。
https://forms.gle/tftdnsm42Pkx1ejM8 - 枚数制限
- 2枚
アーティスト
ゲルハルト・リヒター
1932年生まれ。1960年代から現在に至るまで第一線で活動を続け、同時代を代表する最も重要な美術家の一人として評価されている。絵画を中心に制作を続け、その形式と概念の可能性を探求してきた。特に、絵画と写真の関係性を一貫して問い続けるとともに、多様な様式や革新的な技法を取り入れながら、既存のジャンルを再定義する独創的な表現を展開してきた。
リヒターはドイツ・ドレスデンに生まれ、1951年から1956年までドレスデン美術大学で壁画を学んだ。1959年にカッセルで開催されたドクメンタ2を訪れたことが、その後の芸術家としての方向性を変える契機となる。1961年に東ドイツを離れた後、デュッセルドルフ州立芸術アカデミーに入学し、再び美術を学んだ。
1964年以降、世界各地の著名な美術館やギャラリーで数多くの個展を開催している。1972年にはドイツ代表としてヴェネツィア・ビエンナーレに選出され、さらにドクメンタには、1972年、1977年、1982年、1987年、1992年、1997年、2007年、2017年の計8回出品しており、これは歴代最多の出品回数である。
リヒターの作品は日本でも長年にわたり紹介されてきた。1997年には東京のワコウ・ワークス・オブ・アートで初の個展が開催され、2022年には東京国立近代美術館で大規模な回顧展が開催されている。
スティーヴ・ライヒ
1936年生まれ。1960年代から現在に至るまで第一線で活動を続ける最も重要な作曲家の一人であり、ミニマル・ミュージックの先駆者として広く知られている。1960年代以降、《It's Gonna Rain》《Drumming》《Music for 18 Musicians》《Different Trains》などの作品を発表し、極度に複雑な作曲技法を志向していた当時の現代音楽の潮流を転換させ、脈動するリズム(パルス)や調性的な響きの魅力を再考する新たな音楽表現を切り拓いた。
ライヒはニューヨークに生まれ、ニューヨークとカリフォルニアで育った。1957年にコーネル大学を優秀な成績で卒業し、哲学の学士号を取得。その後、ハル・オーヴァートンに2年間師事して作曲を学び、1958年から1961年までジュリアード音楽院でヴィンセント・パーシケッティとウィリアム・バーグスマに師事した。1963年にはミルズ・カレッジでルチアーノ・ベリオおよびダリウス・ミヨーのもとで学び、音楽修士号を取得している。さらに、バリ島のガムラン音楽、ガーナ大学でのアフリカン・ドラム、ユダヤ教の伝統的な聖歌朗唱法(ヘブライ語カンティレーション)など、多様な音楽文化についても研鑽を積んだ。
自身が率いるスティーヴ・ライヒ&ミュージシャンズは世界各地でツアーを行い、その作品はニューヨーク・フィルハーモニック、ロサンゼルス・フィルハーモニック、ロンドン交響楽団、シドニー交響楽団、サンフランシスコ交響楽団、BBC交響楽団をはじめ、クロノス・カルテット、アンサンブル・アンテルコンタンポラン、アンサンブル・モデルンなど、世界の主要なオーケストラやアンサンブルによって演奏されている。2009年には《Double Sextet》でピューリッツァー賞(音楽部門)を受賞し、《Different Trains》《Music for 18 Musicians》、さらに打楽器作品集によってグラミー賞も受賞している。ライヒと日本との結びつきを象徴する出来事として、今年は90歳を祝うコンサートが年間を通して実施されている。
イ・ハヌリ 《stuff #3》2025年
2006年生まれの韓国出身の作曲家。ヴィッテン現代室内楽祭(ドイツ)、ヴェルビエ音楽祭(スイス)、大邱国際現代音楽祭(韓国)、Initiative Neue Musik OWL(ドイツ)などで作品が演奏されている。メディアアーティストや舞台美術家たちで構成される「6[;yL? collective」という団体でも活動している。
この曲は昨年釜山市美術館にある李禹煥スペースの10周年を記念して実施されたコンサートのために作られアンサンブル・ノマドによって世界初演された。通常の演奏だけでなく楽器を擦る、叩く、吹くなどの方法で、音をまるで物質のように立ち上げ、それらを互いに響かせ合い、演奏空間に新鮮な音の肌理や響きをつくりだす。
武満徹 《雨の樹》1981年
空から落ちる雨粒を葉が受け止め、やがて地面に落ちる。一気に流れるのではなく、留まり、遅れ、繰り返される雨の音と静寂が、3台の打楽器によって演奏される。自然や時間を音楽で表現することを試みた武満の音響世界が堪能できる曲である。これは親しかった小説家の大江健三郎が書いた短編小説「頭のいい『雨の木』」(連作短編小説『「雨の木」を聴く女たち』第1作)に着想を得て作曲された。会場となる草月会館は、1960年代に数々の映画音楽を制作していた武満徹が当時の芸術家たちに大きな影響を与えた公演の企画をおこなっていた場所でもある。
演奏家
photo by Maki Takagi
アンサンブル・ノマド
1997年、ギタリスト佐藤紀雄の呼びかけによって集まった、無類の個性豊かな演奏家によって結成されたアンサンブル。「NOMAD」(遊牧、漂流)の名にふさわしく、時代やジャンルを超えた幅広いレパートリーを自在に採り上げ、斬新なアイデアやテーマによるプログラムによって独自の世界を表現するアンサンブルとして内外から注目されてきた。2002年度に行った第15回定期演奏会「ケージとメシアンの間で交わす自然と宇宙に関する往復書簡」は大きな反響をよび、サントリー音楽財団「第2回佐治敬三賞」を、2014年度に行った第52回定期演奏会「再生へvol. 3:祈り~エストニアから震災復興を祈るコンサート」により「第3回ウィーン・フィル&サントリー音楽復興祈念賞」を受賞した。海外からの招待も多く、2000年オランダの「ガウデアムス音楽週間」、2003年ベネズエラで行なわれた「フェスティバル・アテンポ」、2005年11月パリで行われた「フェスティバル・アテンポ」およびイギリスの「ハダースフィールド現代音楽祭」、2007年にはメキシコの「モレリア音楽祭」、また2008年10月にはソウルでの「パン・ムジーク・フェスティヴァル」などに出演。2009年秋には、中国の北京首都師範大学、北京中央音楽学院、四川音楽学院で中国人作品を中心としたプログラムの公演を行ない、好評を博した。2011年には2度目の韓国公演を開催。2013年7月にはエストニアとオランダで公演を開催。2014年にはメキシコの「セルバンティーノ音楽祭」に日本を代表するアンサンブルの1つとして招聘された。2015年12月に再び中国四川公演を行い、2020年には「ライプツィヒ現代音楽祭」にonlineで参加。2023年には中国成都で開催の阳光杯作曲コンクールから演奏団体として招聘された。今後もフランス、ブラジル、メキシコ、スペインなどでの公演を予定している。また、近年ではアウトリーチ活動にも積極的に取り組み、保育所、病院、小学校、特別支援学校等で訪問コンサートやワークショップを行なっている。
CDは、これまで近藤譲「梔子」、「空の眺め」、「オリエント・オリエンテーション」、「表面・奥行き・色彩」、「昼と夜」、石田秀実「神聖な杜の湿り気を運ぶもの」、池辺晋一郎「炎の資格」、福士則夫「花降る森」が発売されている他、藤倉 大の「Turtle Totem」、「Diamond Dust」、「Glorious Clouds」にもライブ録音が収録されている。海外では2011年秋にエベルト・バスケスの「Bestiario(動物寓話集)」、2015年秋に「Pruebas de vida(生命の証)」がリリースされている。2014年にはオリジナル・アルバム「めぐる-Meguru」を発売。2015年夏から秋にかけて発売された「現代中国の作曲家たち」シリーズは、レコード芸術誌の特選盤や朝日新聞の「for your collection」推薦盤に選ばれている。
佐藤紀雄(指揮/ギター)/木ノ脇道元(フルート)/菊地秀夫(クラリネット)/花田和加子(バイオリン)/甲斐史子(ビオラ)/佐藤洋嗣(コントラバス)/加藤訓子(打楽器)/稲垣聡 (ピアノ)
本公演出演メンバー
菊地奏絵(2nd フルート)
林憲秀(1stオーボエ)
上條晴翔(2nd オーボエ)
内山ちまり(2nd クラリネット)
荒木優子(2nd バイオリン)
海野幹雄(チェロ)
細野幸一(打楽器)
戸崎可梨(打楽器)
大瀧拓哉(2nd ピアノ)
スタッフ&主催者
- 舞台監督
- 山貫理恵
- 音響
- 片桐健順
- 映像
- 新井真悠、西村祐輝、平谷昂大
- 照明
- 杉山ちひろ
- テクニカルアドバイザー
- コリーナ・ベルツ
- 宣伝美術
- 阿部航太
- 企画制作
- 一般社団法人No Centre
- 協力
- 箕口一美
- 主催
- 一般社団法人No Centre
本公演はNo Centre メンバーの御支援、御協力により実現しました。
